2008/11/10
JSTC2008(Japan Space Theater Convention)レポート

日本大型映像協会が主催するJSTC2008(Japan Space Theater Convention)が昨年につづいて11月10~11日の両日、サントリーミュージアム[天保山](IMAX3D 446席)に 121名(シアター関係者17館39名、配給制作関係者37社82名)が参加して開催された。フィルム系大型映像の全国大会JSTCも今年で23回目を数え、 日本大型映像協会主催になってからも15年目の節目の年となっている。
同コンベンションも昨年から配給会社が実務を分担するかたちで運営されており、上映希望の作品が多いこともあり新作試写会のみで、従来のセミナーや分科会は行われなくなっている。
今年もデジタル上映作品を加えると17本の本編が上映され、3D作品も11本と過去最高を記録している。

 
サントリーミュージアム

今年もIMAXシアターは8月末で西海パールシーセンターが閉館したが、2002年の品川プリンスホテルIMAXシアター以来6年ぶりに新しいIMAXシアター構想が発表されている。
来年6月には川崎にシネコン+1形式でデジタル3DIMAXシアターがオープンし「ハリーポッター謎のプリンス」が上映予定になっている。
70mm10Pのアストロビジョン(五藤光学研究所)も今年度2館がデジタルプロジェクターを用いたバーチャリウムに移行しており、フィルム系大型映像の衰退とデジタル化の波が顕著になった年であった。
会場となったサントリーミュージアム[天保山]は国内唯一の大型映像3Dシアターで今年のように新作の3分の2が3D作品という環境からここでの連続開催となった。
世界的にはIMAXシアターが300館を超えBRIC’sを中心にまだまだ伸びる環境にあるがこれからはフィルムではなくデジタルプロジェクターが主流となることは間違いなく、国内でも50館を超えた3Dデジタルシネマの動向が大型映像のコンテンツにも影響をおよぼすことが考えられる。

新作試写会に先立って10日午前9時30分より中田貢平JSTC実行委員長より開会のあいさつがあり、早速、マラソン試写会に突入した。
オープニング作品は「ゴッホ Van Gogh」(さらい)で、誰もが知ってるゴッホの世界を大型映像で再現している。今までまったくなかったタッチの作品でフランス映画ならではの感性が随所に散りばめられており新ジャンルを開拓したといえる。
プロローグのナイフでキャンバスをけずる効果音から作品にはいっていくと、次に映しだされるIMAXサイズの油絵のアップは観客の度肝をぬくことは間違いない。芸術性の高い作品ゆえに国内では上映の機会は多くはないと思われるが劇場に足を運ぶに足る作品だ。
次の「グランドキャニオン・アドベンチャー」(さらい)は「エベレスト」や「アルプス」などで知られるマクギリブレイフリーマンフィルム初の3D作品で、コロラド川の水資源の有用性を強調している。3D効果を活かしたカメラワークはさすが見事。
「ドルフィン&ホエールズ」3D(さらい)は図鑑風に鯨類を分類して映画にしたものですべて水中撮影となっている。

試写会場

昼食後に「アニマロポリス」(D&Dピクチャーズ)は動物の生態と音楽を組み合わせたリズミカルな作品でファミリー向けの作品。
次の「フライ・ミー・トゥー・ザ・ムーン」3D(さらい)は来春、デジタルシネマと大型映像が同時に上映開始される。今回は日本語版での上映が期待されたが「英語版」での再上映となった。
次に当社配給の「グレイトレイクス~五大湖の謎」(古代巨大魚を救え!)が上映された。作品自体はカナダを代表する科学館「サイエンス・ノース」が3年の制作期間をかけて、キッチリIMAXカメラで撮影した作品だけに「安心して見れた」「計算された大型映像のスケール感が爽快だった」とおほめの言葉をいただいた。 絶滅危惧種のレイクチョウザメを復活させる一大プロジェクトを通じて“水”を守ることは環境を守ることであり、最終的には人類、全生物を守ることになるという時流をとらえたコンセプトが多くの人に感動を与えたことを確信した。

休憩をはさんで「3Dワンダフルプラネット」(D&D)「銀河鉄道の夜」(EXPJ)「トロピカルレインフォーレスト」(D&D)が上映された。さすが4Kレンダリングの「銀河鉄道の夜」は圧倒的高精細さでデジタルプラネタリウムで見慣れている関係者に衝撃を与えていた。まだまだフィルムの優位性はゆるがないようだ。

2日目の11日には「ワイルドオーシャン」3D、「3D SUN」(さらい)から上映が始まった。
「3D SUN」は初めて見る太陽の3D映像で、2006年NASAが打上げた双子の「ステレオ」衛星がとらえた史上初の太陽の3次元立体映像を元に構成されている。コロナガス爆発からオーロラまで地球にもっとも大きな影響を与えている太陽の実像にせまっている。
この後、10,000ANSルーメンのデジタルプロジェクター2台による3D上映が行われ、当社配給予定の「ヤッターマンTHT3D」「古代王恐竜キング」がTV放映されていることもあり幼児から小学校低学年向けの旬な作品として好評だった。
もう1本の「TREE ROBO」は昨年の愛・地球博 韓国館で延べ350万人が見た感動作で、フィルム化が待たれる作品だ。
この後、アクアプラネット、レジェンド・オブ・ザ・スカイ(さらい)がデジタル3Dで試写され、ひさびさの航空もののLOTSは完成が待たれるところだ。
今回の試写会のクロージング作品は日本科学未来館が制作した「かぐやの夢」(30分)で本来は4K映像、副題の~月と日本人・ふたつの「かぐや」の物語~昨年打ち上げられた月周回衛星「かぐや」の解像度の高い映像が印象的だった。

PRPMAXブース

10日午後7時から情報交換会がシアター隣接のレストラン「カフェ・ソラーレ」に80名が参集して開催された。
最初にサントリーミュージアム[天保山]大森幸子支配人から歓迎の辞が述べられ、鈴木広幸事務局長が実行委員会とホスト館への謝辞と参加者の健闘を祝して乾杯の発声を行った。〆のあいさつは「和歌山マリナシティわかやま館」の村田弘至氏が行い閉会となった。
また12日に行われた総会では事務局運営について議案提出があったが3月末までの継続審議となっている。

株式会社プロマックスピクチャーズ